「ベジタリアン・ビーガン」と「気候変動」の関係
こんにちは。フィンランドのクリスマスと言えば「Glögi」(グロッギ)
オフィスのクリスマスパーティで飲んで以来ハマりました。
クリスマスマーケットに出かけると、右のお店も左のお店も「Glögi」ばかり売ってあります。素敵。
味は、ノンアルコールは甘さ強めのオレンジとベリー系?味。そしてホットで頂きます。果汁のホットジュースにスパイスなどで風味付けされています。アルコール入りはホットワインみたいな感じですね。どちらも、スパイスやレーズン、アーモンドなどを加えて飲みます。
(私は、何も入れない方が好きでした~)
さて、本日は「ベジタリアン・ヴィーガンと気候変動」について書いていきたいと思います。
- ベジタリアン(Vegetarian)のイメージと語源
- ヴィーガン(Vegan)って何?
- ベジタリアンのタイプ
- 「ベジタリアン・ヴィーガン」と「気候変動」
- Humans must adopt vegetarian or vegan diets to stop climate change,
- UN report warns
ベジタリアン(Vegetarian)のイメージと語源
「ベジタリアン」と聞いて私がイメージしていたものは、
「草食」「野菜大好き」「葉っぱ大好き」みたいな印象でした。また、小さいころに見たテレビで、「動物を食べるなんてかわいそう。だから、私は動物は食べないベジタリアンなの。」と話している人を見ました。幼い私は「ベジタリアンの人は動物が好きで、かわいそうだから野菜をいっぱい食べるんだ。」と勝手に自分の中で納得していました。その考えは最近まで変わらず、そしてベジタリアンを特に意識することなく過ごしてきました。(身近にほとんどベジタリアンの人はいなかった気がします。)
さて、みなさんは「ベジタリアン」と聞いてどんなイメージを持ちましたか?あるいはどんなイメージを持っていましたか?
やはり、私と同じように「草食系」「野菜大好き」「動物がかわいそうだから」というイメージでしょうか?「お肉食べないなんてストイック!」や、「健康的」と思った方もいらっしゃるでしょう。
では、「ベジタリアン」とは何ぞや?という話なのですが「ベジタリアン」とは、野菜をメインに食べて、肉や魚を食べないことです。また「ベジタリアン」の語源は野菜という意味の「Vegetable」ではなく、ラテン語の「Vegetus」が由来であり、意味は「健全な、新鮮な、元気のある」だそうです。肉や魚を食べない菜食主義者の事を示しています。(恥ずかしながら、ベジタブルのベジだと思っていました(笑))
「ベジタリアン」を選択する人は様々な理由から選んでいるようです。(アレルギーがあるから、ダイエットをしたいから、宗教的な理由から、動物を食べるのがかわいそうだから、スピリチュアルな理由からなどなど。)
続いて「ヴィーガン」についてもお話ししたいと思います。
ヴィーガン(Vegan)って何?
「ヴィーガン」
私は前回フィンランドに来るまで、その言葉すら知りませんでした。知っている方もいらっしゃると思いますが、日本ではまだまだ馴染みが無い言葉ではないでしょうか。
フィンランドの友達に「ビーガンって何?」と聞くと「ベジタリアンよりもっと制限が厳しいもの」と答えてくれました。簡単に説明すると、動物性の食品、動物性製品が基本NG。ヴィーガンの人たちは牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類や魚に加え動物性製品の卵、牛乳、ゼラチンや砂糖、はちみつを摂取しません。
「厳しすぎる!!!!」というのが最初の印象でした。何が食べられるの?食べられる食材の数両手で数えられるんじゃないの?と戸惑いました(笑)
しかし、ベジタリアン・ヴィーガンには段階によって分け方が結構あるようで、全部ストイックなものではなさそうです。
ベジタリアンのタイプ
①Flexitarian or Semi-Vegetarian (緩やかな菜食主義)
⇒主に野菜を食べるが、時には肉類も食べるベジタリアン。
②Pescetarian(魚菜食主義)
⇒牛・豚・鶏などの肉は食べないが、魚は食べるベジタリアン。
③Lacto-Ovo-Vegetarian(乳卵菜食主義)
⇒肉類・魚介類は食べないが、乳製品と卵は食べるベジタリアン。
④Vegan(完全菜食主義)
⇒動物(牛・豚・鶏・魚介類等)を食べることを避け、卵・乳製品などの動物由来の製品も避ける。場合によっては、動物製品(革製品)も避ける。
⑤Raw Vegan or Raw Food Diet(未加工の食品を食べる菜食主義)
⇒46℃を超えて処理されていない未加工のヴィーガンフードで構成されている。46℃を超えて加工すると栄養が失なわれることから。
⑥Macrobiotic(自然食)
⇒未加工の全粒穀物、果物、野菜が含まれており、時々魚も摂取するが、砂糖と精製油は避ける。Macrobioticで特徴的なのは、大根やアジアの野菜、わかめなどの海藻に消費の重点を置いている点。
などなど、上記以外にも分類はあるようで奥が深いです。
今回参考にした記事はこちら
さて、「ベジタリアン・ヴィーガン」について少し分かっていただけたでしょうか。
「ベジタリアン・ヴィーガン」を選択する背景は様々ですが、基本菜食主義の事のようです。
では、なぜ「ベジタリアン・ヴィーガン」が「気候変動」と結びつくのかについてです。
「ベジタリアン・ヴィーガン」と「気候変動」
「菜食主義」は「気候変動」を止めるために役に立つのでしょうか。
結果から言うと、「気候変動」を止めるために「菜食主義」は密接に関連しており、菜食主義への転換は「気候変動」抑止に役立つということが言えます。
以下は国連が報告している3つの内容になります。
Humans must adopt vegetarian or vegan diets to stop climate change,
UN report warns
「人々はベジタリアンやヴィーガンを選択し気候変動を止めなければならない」
①私たちの食物システムは温室効果ガスの25~30%を占めている。
②2050年に予想されている全世界の人口98億人を養うには2010年と比較すると56%多くの食料を生産しなくてはならない。
③現在の食習慣に合わせて食肉と乳製品の消費が上昇した場合、インドの2倍の面積の森林を農用地に転換しなくてはならない。
①の食物システムの中で注目されているのが、畜産や酪農です。酪農や畜産によって排出されるCO2やメタンガスの温室効果ガスは地球上全て交通手段(車・トラック・飛行機・船舶・列車)が排出している量に匹敵すると言われています。
この①に「ベジタリアン・ヴィーガン」であることと「気候変動」が大きく関連しています。肉や乳製品を沢山摂るのではなく、菜食をメインとすることで、畜産や酪農による環境負荷を減らすことに繋がります。また、③にもあるように、現在の食習慣に合わせて、肉や乳製品を消費し続けると広大な森林を失うことになります。
また、肉となる牛や豚、鳥を育てる際、乳製品を生産する際には飼料や水、手間と時間がかかります。とある記事によると、家畜の飼料を育てるために広大な農地を切り拓いたり、そのまま私たちが食べることの出来る野菜や穀物を家畜に与えているとありました。家畜を育てる過程で消費される食物を私たちが消費すれば、エネルギーや資源を節約することに繋がりそうです。ということで「ベジタリアン・ヴィーガン」は「気候変動」にも密接に関連しているのです。
こちらのリンクに面白い記事があったので、お時間がある方は読んでみてください。
最後に
「ベジタリアン・ヴィーガン」が「気候変動」に関係することは分かったんだけど、お肉も乳製品も好きだし、取り組むの難しそう…と思っている方へ。
最初の一歩。お試し「ベジタリアン・ヴィーガン」チャレンジ!!
このチャレンジ名前がついています。
#7meatfreeday
名前の通り7日間だけお肉フリー、出来る事なら動物性食品フリーに取り組むことです。どの一週間でもOKです。とにかく7日やってみようというこのチャレンジ。
実際やってみました。フィンランドに来てすぐだったので「え、お肉とか美味しいものいっぱい食べたいのに…」と内心思いながら、オフィスの方の勧めでしぶしぶチャレンジ(笑)
「肉…」
「肉・肉・肉…」
という気持ちを抱えながら、7日過ごしてみると、あることに気付きました。
「食材についてしっかり考えている自分がいる」ということでした。
例えば、見た目ががっつり「肉」というものは簡単に避けることが出来ます。(見て分かるから。)しかし、味付けの時に使うコンソメ。よーく考えると鶏からできています。こんなこと意識したことがありませんでした。また、サラダを食べる時、ドレッシングの中には乳製品を含むものがあります。さらには、ケーキなど、これは卵を使って作ってあります。目の前にある食べ物の事しか考えず、含まれているものなんて考えてこなかったということがよく分かる一週間でした。
そして、7日間過ごすと。意外と楽しいということに気付きました。(1年頑張りましょうだときつかったかもしれませんが(笑))友達とチャレンジすると楽しいかも。これ続けられそうという方は、毎月1回 #7meetfreedayを組み込んでも良いかもしれません。(健康にもよいですよ~!)
とりかかりは、小さなことで、そして興味本位でチャレンジ!で構いません。ぜひ一度試されてはどうでしょうか?
試された方は、どうか美味しいレシピ教えてください。(ヴィーガンレシピを見つけるのは結構難しかったです。)
では、本日はこの辺で。Moi moi